歯科医さんの節税術

歯科医院は概算経費で節税している

歯科医さんの節税策を中心にこのサイトではお伝えしていますが、医療関係の職業については「概算経費」(正確には措置法第67条 《社会保険診療報酬の所得の計算の特例》というもの)を用いて計算をする事が認められています。

ほとんどの歯科医院はこの仕組みを使っている事でしょう。もしも知らないでいると、同業者と話している時にかみ合わない・恥をかく事になる場合もあるかもしれません。

という事で今回はその概算経費(社会保険診療報酬の所得の計算の特例)についてお話していきます。

概算経費とはどういう制度?

概算経費とはどのような制度なのでしょうか?

通常の個人の確定申告の場合には、収入からそれにかかった経費を差し引いて所得を計算します。しかし、概算経費を用いた場合には、実際にどれだけ経費がかかったかを計算する必要はなく、一定の率を用いておおよその金額で経費を算出する方法となります。

概算経費の対象者は?

この概算経費での計算は誰しも認められているわけではありません。

この計算の適用が認められているのは、下記を満たす方です。

  1. 社会保険診療収入が5千万円以下の医業又は歯科医
  2. 社会保険診療収入および自由診療も含めた収入が7千万円以下

以前は②のようなしばりもなかったのですが、実際に社会保険診療報酬が低くても自由診療報酬で高額な所得を出しているところも多かったところから、税制改正により、平成26年からは適用できる事業者が狭まりました。

届出や申請は必要なし

この制度はかなり優遇されていると言われていますが、その理由の一つが何も届出も申請もいらないという事です。

さらには年度が閉まって確定申告の時に実際に適用するかどうかを決められるという事です。

青色申告は年度が始まる前までに申請していないといけませんし、その他の制度はほとんどが税務署にあらかじめ処理の方法を提出して、その通りに行うというのがほとんどです。

それだけ優遇された特例計算だけに、今後も縮小の可能性はあると言えるでしょう。

概算経費率を使用した経費の計算方法

先ほどの条件を満たす歯科医であれば概算経費率を使用して経費を計算します。

【概算経費】

  • 2500万円以下      … 診療報酬収入×72%
  • 2500万円超~3000万円 … 診療報酬収入×70%
  • 3000万円超~4000万円 … 診療報酬収入×62%
  • 4000万円超~5000万円 … 診療報酬収入×57%

このようにかなりの金額が経費に算入されるというのが分かるでしょう。

単純にすると所得は「収入▲経費」ですから、社会保険診療報酬だけで考えれば所得率は28%~43%に抑えられる事になります。

概算経費を使用しないほうが良い場合がある?

通常は概算経費を使用しない方が良いという場合はほとんどありません。

しかし、実際にかかった経費が概算経費を上回るようであれば概算経費を使用しない方が良いこととなります。

個人歯科医院の場合には、よっぽど自由診療に特化している歯科医院でもない限りは、概算経費を使用するのが最善ではあります。

医療法人があまり概算経費を使用しないのは、医療法人ともなると役員に対する給料(役員報酬)も高額な事が多く実額経費の方が多くなる事が多いからです。

まとめ

以上が個人歯科医さんであればほとんどの方が適用している事の多い概算経費についての説明となります。

こういった所得計算の仕組みを知っておくことで、いざ改正が起きた時に自分にもどのぐらいの影響があるのかが分かるのではないでしょうか?

概算経費制度はかなり恵まれた計算方法であり、これからも概算経費の率を下げようとする動きは常にあるでしょう。どうか今後も注意して動向を見てくださいね。