当サイトでは、老後に向けて投資の必要性をお伝えしております。
ただ、正直な話、株式投資って本当に儲かるの?と思う方は多いでしょう。
筆者も昔はギャンブルだと思っていたので分かります。
当記事の内容
- 先進国の年金運用をみると株式の比率は50%以上を占める
- 株式が儲かる理由は「人々がより豊かに暮らしたい」という願い
- 資本主義により株式は成長してきた
- 21世の資本論でトマ・ピケティが述べている「r>g」と同じ
ギャンブルだという気持ちが残っていると、老後に向けて安心した運用は出来ません。
まずは株式が長期においてリターンを産み出してきた事実。合わせて、その背景を知ることで、長期投資ができると考えております。
2分ほどで読めますし、長期投資をする上でのバックボーンは必要になってきます。
株式会社が無いと資本主義経済と現代社会は成り立ちません。
投資が怪しいものから、必要なものと思えるヒントになれば幸いです。
目次
株式投資が儲かるのは、長期投資と分散投資である事が条件
全世界の株式へ投資した場合、一年間の値動きは最大でプラス49.9%、マイナス52.9%です。
ただ、毎年こんな激しい動きはしません。上記の数字はリーマンショック当時のものですね。
30年の長期平均はプラス6.2%となります。
暴落の年もあれば、2017年の日経平均16連騰といった年も含めての平均がプラス6.2%です。
これは世界の経済成長にかなり近いもの。
30年というのは数字では簡単ですが、自分で保有するとなると中々想像がつきませんし、実感もわきません。
そこで、もっとも長期投資を意識している組織がどうなっているかを見てみましょう。
各国の年金運用から見る長期投資
意図的に株式を長期運用しているのは各国の年金運用です。
年金は持続させ、後世にまでその制度を引き継ぐ必要があるから。
例えば日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は運用の50%が株式です。
他の先進国を見ても結果は同様で、日本以上に高い比率で保有をしています。

引用元:年金積立金管理運用独立行政法人-海外の公的年金の運用状況
画像でふれているのは以下の4つの年金機関です。
- 日本 株式50%
- カリフォルニア州 株式54%
- カナダ 株式78%
- ノルウェー 株式62.5%
アメリカは州ごとでの年金運用をしていますね。アメリカの大学も同じように基金を株式運用しています。
比較的、社会保障が充実しているイメージのノルウェーでも、やはり株式の運用比率は高くなっている様子。
分散投資である事
株式の銘柄数だけでなく、多くの先進国に分散されている事も重要です。
現在はアメリカが覇権国として「世界の株式の時価総額」のうち半分を占めています。
しかし、たった30年ほど昔は日本がアメリカをも追い抜こうとした時代がありましたね。
またアメリカより以前の覇権国はイギリスでした。
引用元:クレディ・スイスGlobal Investment Returms Yearbook2018
長期で運用をする場合、どの国が成長するかは誰にも分かりません。
そういった意味では全世界へ分散投資するのが一番ですね。
現在は投資信託一本で可能になりました。
筆者はeMAXISI Slim全世界株式(オール・カントリー)をおすすめしています。

株式は常に債券を上回るリターンをあげてきた
ただ一つ言えるのは、長期において株式は常に成長をしてきた事です。
過去、どの国においても債券よりも遥かに安定して利益を上げたのは株式である事を忘れてはいけません。
引用元:ジェレミー・シーゲル『株式投資』89ページ
過去200年以上をみてみると、全世界に株式分散投資をしていると約5.5%程度の利益が分かります。
ピケティの「r>g」でも同様の事が述べられている
21世の資本論でトマ・ピケティが述べている「r>g」と同じものですね。
r=リターン(資産からの利益率)は常に、g=グロース(所得の伸び率)を上回り続けていました。
ですので、資産家は時間が経てば経つほど富を蓄積し、庶民との格差は広がってしまう、というもの。
長期で見れば、短期国債であるBillsは所得の伸び=インフレに近くなります。
株式が短期国債を下回っている国は一切ありません。
複利の力は絶大である
アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ複利は時間が経つほどに効果を増します。
パッシブ投資の教科書的存在である『敗者のゲーム』でも、おとぎ話を例に書かれていました。
複利の効果は驚くほど強力である。
古い中東のおとぎ話で、王様が自分の帝国の危機を救った将軍に感謝して、何でも望み通りの褒美をとらそうと言ったという。
将軍は遠慮深く、チェッカー盤(縦横八マス)の一マスに小麦一粒、次のマスに二粒、第三のマスに四粒、次は八粒と順番にマスを埋めてください、とだけお願いした。
王様は莫大な褒美を与えずにすみそうだと思い、一見単純な方式で将軍への義理を果たせると、喜んでこの提案を受け入れた。
不幸なことに、王様は複利効果の恐るべき力について知らなかった。
どんなものでも六四回倍増させれば、際限なく膨れあがる。
この話では、一粒から始めて二倍、四倍とチェッカー盤を埋めていった小麦の総量は、帝国全体の富をはるかに超えるものであった。
引用元:『敗者のゲーム』新版188ページ
年間6%のリターンを複利計算すると12年で2倍になります。
倍というのは恐ろしくて、
- 24年では4倍
- 36年では8倍
- 48年では16倍
と時間が経てば経つほど大きな差が生まれます。
投資において時間というのはこれほどに効果をもつのですね。
資本主義により株式は成長してきた
産業革命以降、様々な技術革新がありました。
長い歴史の中で何度も株式は打ちのめされ、下落や低迷を受けましたが、それ以上のリターンをもたらしています。
その源泉は何かというと「人々がより豊かに暮らしたい」という願いです。
例えば手に持っているスマートフォンやパソコンは、私たちの生活を一変させました。
今では無くてはならないものになっています。
こういったイノベーションから様々な産業や仕事が生まれ、人はより豊かになっていきます。
その背景には数えきれない失敗があります。莫大なお金もかかります。では、その担い手になっているのは誰かというと株主です。
株式へのリスクテイカーがいなければ、発展をしないものがたくさんあったはずです。
株式会社単体では倒産のリスクが大きくなりますが、現在では全世界への株式へ分散投資することが可能です。
その平均利回りとして、超長期で世界は年5.5%という利益を受け続けてきた、というのが本記事の内容です。
今後も人口増により株式は成長する
蒸気機関、鉄道、電話、自動車、飛行機、インターネット。
今後も更なる技術革新によって、世界は豊かになっていきます。5Gや医療関係が顕著ですね。
日本は少子化で低成長が続いていますが、世界に目を向ければまだまだ人口は増え続けます。
国連によると2050年までに97億人近くになると予測されています。

引用元:NAITIONAL GEOGRRAPICH-2100年の世界人口は112億人、国連予測
例えばあなたがAppleの株主であれば、富裕層が増えるほどiPhoneの利用者は伸びますし、コカ・コーラの株主なら今後成長する新興国での売り上げが期待できます。
もちろん、全世界の株式に投資をしていれば人口増の恩恵を受ける株式は多くあるでしょう。
このような事も含めての世界分散、長期投資という事になります。
まとめ|株式投資は長期投資をする事で儲かる
記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 株式はギャンブルではない
- 先進国の年金は株式運用を主体にしている
- 過去200年において株式は成長してきた
- 成長の源泉は「人々がより豊かになりたい」という願い
- 株式運用をするには国際分散と時間を味方につけることが大切
筆者が愛読する『敗者のゲーム』では以下のような事も書かれています。
運用においては、長期では驚くようなことはないが、短期では驚きの連続だ
急落も低迷も経験をするかも知れませんが、そういった時は過去の歴史と資本主義の未来を思い浮かべると良いですね。
本記事も同じように思って頂けると幸いです。
投資は長く厳しいですが、一緒に頑張りましょう。