歯科医さんの節税術

歯科医さん個人の節税はまず小規模企業共済から

節税策は何も事業の経費を使用するだけではないです。

「税理士としてまずどんな節税策を勧めますか?」と言われれば、こちらで紹介する小規模企業共済を一番にお勧めします。

個人事業主で利益を出している方であれば「小規模企業共済」に加入していない人もいないのでは?というほどです。

小規模企業共済は自営や役員のための退職金制度

小規模企業共済は簡単にいえば個人事業主や法人の役員の退職金制度です。

先日の朝日新聞に政府が人生を百年として自己においても資産形成をするような方向性を示したそうです。つまり、もう年金のシステムは崩壊しているというのを認めたようなものです。

ただでさえ将来的に不安がありませんか?いざ自分が事業をやめて退職する時に退職金がなくて大丈夫なのか…。あったとしてもすずめの涙ほどだったらどうすれば良いのか?

個人事業主だとした場合には国民年金の方がほとんですから将来の年金も少ないです。別の共済年金に加入するという方法もあります。

しかし、一番に優遇されているのがこの小規模企業共済制度です。

小規模企業共済は掛金がすべて所得控除扱いになります

小規模企業共済は民間保険のように毎月掛金を1,000円から70,000円まで自由に設定できます。

開業したばかりや他の理由で資金繰りの都合上支払いがきつくなった場合でもすぐに掛金を変更する事も可能です。ただ、ほとんどの方は掛金は最大の70,000円で加入し、年間で84万円の所得控除を受けています。(70,000円×12ヶ月=84万円)

そしてこの小規模企業共済の凄いところは掛金全額が所得控除扱いになることです!民間の年金型の生命保険なんて10万円以上支払おうが、年間では最大でも4万円しか所得控除できません。

であれば、どう考えてもまずは小規模企業共済が選択の第一となるのです。

所得控除というのは飲食店事業である事業所得のもうけから更に引く事によって税金計算上有利になるものです。所得控除は他にも国民年金や国民健康保険料の社会保険料控除、生命保険による生命保険料控除、ふるさと納税に代表される寄付金控除などがあります。

個人事業で84万円の経費を節税として用いるのはかなり苦労しますが、自身の将来の蓄えとしても使えて節税にもなるのならばこれは加入しない手はありませんね。

将来の蓄えにもなるというのは次に解説します。

小規模企業共済にかけた資金は将来的にはどのような扱いになる?

小規模企業共済の掛金が所得控除になるのは分かったと。ではその掛金は将来的にどのようになるのでしょうか?

結論から申し上げますと老齢給付(65歳以上で180か月以上掛金を払い込んだ場合)として受け取ることが可能です。

この場合には退職金と同じように一時金として受け取る方法がまずあります。日本の所得税の制度において退職金の扱いは「退職所得」という扱いになり、税金が非常に低くなるように優遇されています。

また、受け取り方を一度に全額もらうのではなく、毎年分割で年金のように受け取ることも可能です。ただし、その場合には年金と同じ「雑所得」という扱いになります。税金計算上はほとんどの場合には退職所得の方が有利です。

事業を辞めた場合にももらう事が可能

もしくは歯科医院を廃業して、もう途中で解約したくなったらどうでしょうか?モチロンそれでも問題はありません。

仮に途中解約となったとしても掛金を払った年数が20年以上であれば掛金以上にもらう事が可能です。

20年以内の解約でも掛金と比べれば元本割れを起こす事もあり得ますが、そもそも掛金を支払う事で節税できた分を考えれば損をする事はほとんどありません。

小規模企業共済は法人となっても加入を継続できる

個人歯科医院経営者の中には「将来的には医療法人にしたいんだけど…」という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、それも問題ありません!小規模企業共済は冒頭でもお話したように法人の役員であっても加入が可能です。

もしもあなたの事業が大きくなって個人事業から医療法人への切り替えをする「法人成り」をしたとしても、会社役員であれば小規模企業共済はそのまま引き継げる場合がほとんどです。

個人歯科医院時代から小規模企業共済には加入していても損がないのです。正直なところ歯科医さんは一年目から結構な利益が出ますから、もしも加入されていない場合にはいち早く加入されるのが良いでしょう。

年度末(12月)近くになって一年分(最大84万円)を支払う方法も可能ですよ!

ぜひとも損をしないようにして下さいね!繰り返しにはなりますが、こんな使い勝手が良くて経営者の将来まで補填してくれるものは小規模企業共済以外ありません。

下手な経費(特に無駄な交際費など)を使って節税を考えるよりも、まずは小規模企業共済への加入がファーストチョイスですよ!これだけ布教しているのですから、少しは紹介料が欲しいくらいです(笑)

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